続きは次回といいつつ、気がついたら1ヶ月も経ってた。シネマライズの上映も終わってた。
お話の中身はともかく、「雲のむこう、約束の場所」よりは新海さんっぽい作品だし、今までの話の中ではいちばんお気に入りです。もちろん「そこはちがうだろ」みたいなところは山ほどあるんだけど、特に誰かに何かを伝えたいための作品であるとは思えないので、そういうことも含めてよかったかな。あとは好みの問題で評価が分かれるところでしょう。
ただ山崎まさよしの「One more time, One more chance」を挿入歌にもってきたのは個人的にはマイナス。曲調やイメージとしては確かに違和感ないところなのだけど(「急行待ちの踏切あたり、こんなとこにいるはずもないのに」とかね... そこだけ切り出せば)、どう考えても歌詞に込められた思いと二人の気持ちはあってないので、使うなら合わせる、合わせないなら使わない、のではないかと。コメントを聞いてみたいところ。もったいないなぁ。
第2, 3話でわかったことなど、いろいろ。
思い出すままに羅列。たぶん間違っているものもあると思う。
貴樹が会社を辞めたのは、明里が結婚を控えた冬のこと。
貴樹は無職になったわけではなくて、独立して仕事をするようになった。つまり会社辞めて人生良くなった。
踏切のところですれ違ったのは、明けて明里が新婚間もない春。
種子島に行ってからも、貴樹と明里との間にはしばらく手紙のやりとりがあったが、いつしか途絶えた。なぜだかは伺い知れない。
明里の実家は岩船から引っ越していないので、連絡を取ろうと思えば取れるはず。
高校時代の貴樹は明里との想いを抱いているようにも見えるが。送る意思のないメイルを書くという行為から、本当に連絡を取りたいと思っていたのかどうか不明。
明里は貴樹のことを実家の荷物を整理して手紙を発見するまで忘れてた(w
貴樹も明里のこと思ったのは水野さんにふられたから(まぁそれはちがうかも)
「One more time, One more chance」の歌は実は作品とはあってない。第1話以降、二人の間にはそんな熱い想いはなかった。
今回はちょっと脇道の話。
明里の名字が篠原なのにはずっとひっかかっていて、ぐぐるとやっぱりそういうこと(「ほしのこえ」ミカコ役の篠原美香さん)に言及しているひともいたりして、やっぱり気になることは気になるよねー。確かにどうとでも言えると思うんだけど、新海さん自身が観ている側の憶測を予想していないとは思えないわけで。ついでに、猫のミミって「彼女と彼女の猫」に出てくるというのは言われるまで気づかなかったのですが、ますます意味ありげだよなぁとか思ってしまいます。
第2,3話の補完(?)もできて、また思うところがいろいろ増えたのですが、それはまた今度ということで。
ちょっとだけ考えが変わってきたので、書いてみる。ネタバレなので以下へ。
初見では僕の中で評価の低かった第1話だけど、何度か見直しているうちに、要するに第3話がまずあって、その回想として第1話が設定されているのだと気づいて、ようやく納得する。貴樹は桜咲く季節の踏切での偶然のすれ違いで(これホント?)、明里は結婚を控え実家で持ち物を整理する中で発見した渡せなかった手紙を見て、それぞれが同じ13歳のあの日の思い出の中で邂逅するという設定だったのですね。
そういう視点で見ると、モノローグが妙におとなっぽいのも、貴樹の情けなさがことさら強調されているのも、確かに理解できる気がします。また第1話では明里の気持ちがろくすっぽ語られず、貴樹との一夜を過ごした楽しい想い出のはずなのに、なんとも言えない表情で渡せなかった手紙とともに去り行く列車を見送るというシーンで終りを迎えるのも、第3話の状況からすれば当然の終わり方と思いました。
というか、そんなの1回観ただけじゃわからんす(w(そういや「雲のむこう」でも冒頭で過去を振り返るような構成になってますね)
そうすると今度は、お気に入りの第2話の位置づけってわからなくなってくるんだよなぁ。花苗は貴樹の過去を知らないふうなので、第1,3話とまったくクロスオーバーしてないことになるのですよね。なんでわざわざああいう話を挿入する必要があったのか謎です。
まだ第2,3話は見直していないので、また何か発見があることに期待しつつ。
というわけで、ういさんとあわたけ師匠とともに観に行ってきました。
感想は以下へ。
第一話は、中学一年生という年齢のわりには、ふたりのモノローグのおとなっぽさにギャップを覚えまくりで、正直この先どうなることかと思いましたが、第二話、第三話とよくなっていったように感じました。個人的には第二話が一番のお気に入りです。女の子を主人公にしていた分、感情の機微が物語に奥行きを与えていたように思いました。
僕個人としては作品を評価しつつも、新海さんが表現しようとしている世界の美しさの切り取り方については賛同しかねるところがあります。あるいは僕が結婚してなくて、子どももいなくて、一人暮らしをしていたら、もう少し素直に感情をシンクロさせることができたと思うこともあるのですが、もはやそれは想像でしかないのでホントのところはよくわかりません。
僕は世界の美しさはそこに生きているひとにこそあるのだと思っています。普通に生きていて人と交わらない毎日はなく、自分が望むと望まざるとに関わらずいろんなひとと関わりを持って生きていくしかないのが現実です。そしてそれは往々にして様々な摩擦やすれ違いやストレスを生む原因となるのですが、またそこに楽しさや喜びや意外性があるのも事実です。そういうちょっとしたことが、生きていく上での大切な糧となることも現実にはたくさんにあると思うのです。でも新海さんの作品には、そういうものはあんまり出てこないような気がするんですよね。ある意味、閉じた世界しかないというか。
映画パンフレットに種子島の高校へ取材に行った話が載っていて、現地のひととの様々な出会いが作品に大きな影響を与えた話が書いてありました。ホントはここに書いてあるようなことがとっても大事なことなように思うのです。新海さん自身はそれをちゃんとわかっているからこそ、第二話の奥行き(姉のような近親者を登場させたのも初めてなんじゃないのかな)につながっているような気がするのですが、、、ちょっともったいないなと思いました。エラソーなこと言ってごめんなさいです。
もう劇場では観られないーと半ば諦めていたのですが、恵比寿ガーデンシネマで凱旋上映が行われるとのことで、ようやく観に行くことができました。今年最初で最後の劇場で観た映画はいつまでも心に残るいい映画でした。細田さんさいこー。こういう映画がちゃんと作って上映されて観られるということに感謝です。DVD購入決定かな。
の前に、とりあえず挿入歌をぽちっとしてみた。早く届かないかなー。
2004年に「この秋見たい映画」として挙げていたのですが、先日DVDを借りてきてようやく見られました。日本の都市部において子どもの置かれている立場とか状況がうまく描かれていたと思います。少なくとも「リリイシュシュのすべて」なんかよりは全然。
血縁を中心とした人間関係の崩壊が特別なことではなくなりつつあるとすると、当然まったくの他人とそれに代替する人間関係を作っていくことになる(ひとりじゃやっぱどうにもならないことはあるので)と思うのですが、下手に自立した大人同士よりも子ども同士の関係においてその形の片鱗が見えるように思います。4人の子どもたちの外に居る韓英恵演じる女子中学生(高校生?)がとてもいい役回りをしていましたね。
見ました。微妙。本質的に共感できる部分(イヤな意味で)は多かったけど、見ていてすっきりするタイプの映画ではなので、もう一度見るかと言われると結構しんどいかも。合唱のシーンぐらいかな、もう一度見たいのは。
ネット上に書かれている感想も、いいというひととつまらんというひとがはっきりわかれていて、さもありなんといった感じ。公開当時はみょーに「14歳」というキーワードが注目されていて、その時流に乗って作った映画だ、みたいなことを書いていたひともいたけど、14歳というキーワードがすっかり過去のものになった今見ても、それなりに普遍的なところは追えていたんじゃないかと思うので、そこは色眼鏡を持たずに見られたのはよかったです。
で、蒼井優さまですが、この作品から「花アリ」で見せたキレの片鱗を見つけ出すことはちょっと難しい。役柄も役柄だし(えんこーしてる中学生)。しかしここでちゃんと目をつけて虜にしてしまった岩井俊二の勝ち、といえば言えなくもない。メイキングはまだ見てないので、そちらに何かあるかもと期待。
唐突に「花とアリス」特別版のDVDを購入。とりあえずおまけの方だけ観てみる。なんつーか、ラストのバレエのシーンが強烈なイメージとして残っているので、他にどういう話があったのか結構忘れていたということに気づかされる。他にも見どころがいっぱいあったので本編を見るのが楽しみ。
蒼井優へのインタビュー。
「岩井さんってどうですか?」「親戚のおじちゃんって感じ」
「岩井さんと仕事するのってどうですか?」「...幸せ」
そう言って笑う彼女の顔は本当に幸せそうで、なんだか恥ずかしいようなほっとするようなそんな感じがしました。
早くも上映最終日になってしまったので観に行ってきました。
わりと淡々と進むストーリーだったけど、ストレートでよかったです。なんか「提供・日本郵政公社」とか出てきてもおかしくないような内容だったですが(笑。
TRで蒼井優が女優になるまでの話(「福岡に帰りたい」とか)を聞いたあとだったので、主人公の風希と蒼井優本人の体験がオーバーラップするように見えてちょっと切ない気分になりました。欲を言えば、映画に描かれないストーリーがいっぱいありそうで、そのあたりがもうちょっと話に出てくるといろいろと楽しめたのかなと思います。基本的に真面目な話が一生懸命続くので、ちょっとわき道にそれた中高時代のカイジとのエピソードなんかも見たかったです。
印象に残っているのは、蒼井優さまが出てるシーンすべて... というのは冗談ですけど、一押しは風希が竹富島に帰ってきてお母さんの遺影を見て泣き崩れるシーン。ただ圧倒されました。
あとさすがに小学生の風希は子役のひとがやってるのですが、中学生から現在(20歳)までは蒼井優さまがやってて、制服着るとちゃんと中学生とか高校生っぽく見えてしまうのが驚きでした。実は童顔?
今回も運良くビデオ録画に成功。内容としては特に目新しいところはなかったのだけれども、センダックの「かいじゅうたちのいるところ」を電子絵本にしようとしたとかいうくだりは、氏の原点を端的に言い表してるように思えました。ゲーム会社に入ってひさしぶりにコンピュータに触れて線がジャギーなく引けることに感動するところとか、なんか激しく同世代であることを認識。
最後の質問コーナーで「気をつけていることは?」との質問に「なるべくわかりやすい言葉を使うようにしてます」というのもなかなか興味深いコメントでした。これが実際は難しい。「いつも言葉は想いに足りない」とも申しますし。
あわたけさんに教えてもらった帝国少年さんの自主制作アニメーションです。ひさしぶりに「あっ、いいなぁ」と思える作品だったので記しておきます。たった6分の短編映画ですけど、ちゃんと作りこまれていて何度も何度も見返したいと思わせる作品。独特の世界観とギミック満載の舞台にわくわくさせられること間違いなしです。
というわけで、「雲のむこう、約束の場所」のDVDを観ました。劇場で観たときに気になっていた部分がいっぱいあったのでいろいろと注意して観ようかなと思っていたのですが、あらためて見直してみるといったいどこが気になってたんだっけ?という感じで、どっぷりと作品に浸ってしまいました。
劇場で気になっていた部分のひとつは、無音の暗転で場面が切り替わるところ。この暗転は、場面転換のモノローグの最後の部分がまったくの暗転になっていたり、逆に暗転してそのままモノローグから入った後にようやく次の場面が始まる、というような感じで、暗転時間が気持ち長いのです。もちろん意図された表現だと思うのですが、劇場で観ていたときには、この瞬間ふっと作品世界から現実の世界に戻されてしまう感じがしていまいち感がぬぐえませんでした。しかしこれがおうちで部屋をほとんど真っ暗にしてぽつんと座って見ていると、全然ちがっていて、実に効果的なのですね。
劇場の場合、真っ暗な映画館の椅子に座るというのは、ある意味日常体験の延長上でしかないのですが、真っ暗な部屋にぽつんと座るという状況はかなり非日常的な雰囲気を持っていいて、しかも映画館とちがっておうちならひとの気配はなく、まったくの静寂が時間を支配するわけです。意識的にせよそうでないにせよ、おそらくそういう意図はあって、やっぱりこの映画はおうちでひとりで観るものなんだなぁと思った次第です。
あと気づいたといえば。実はサユリは最初からヒロキが大好きだった、のかなとか。ヒロキの思いはともかくとして、サユリ自身にそういう強い感情があるというのは最後まであまり出てこないんですけど、もちろん突然出てきたわけはないので、やっぱり自分でも気づかない部分で以前からヒロキを意識してたのかなと。そういうふうに見ると、いろんなシーンでサユリたんの健気さとかいじらしさとかが見え隠れして結構に萌え転がれるんですよー(ぉ。「あんな女の子、いねーよ」と言ってしまえばそれまでだけど、新海さん曰く「初恋の憧れのひと」というイメージを完璧に描けてて、いいなーと思ってしまいます。
前回公演同様、夢の遊民社時代の作品(なんと初演は1976年)の再演。次から次へと繰り出される言葉遊びそれ自体がメインだったけど、戦後の日本の軌跡とはいったいなんだったのかという思索も登場するモチーフの端々に見え隠れしていたように思う。この作品を観てから「オイル」を思い返すと、すでに1976年のときに原型は出来上がっていたのね、と思わざるを得ない。いやはや。
惜しむらくは中村勘太郎のセリフが聞きづらかったこと。声をつぶしそうだったのか、いまいちセリフのスピードに口が追いついていない感じ。それに比べて深津絵里は相変わらず完璧でした。すばらしかったです。
ユリイカの12月号は「特集*宮崎駿とスタジオジブリ」なのだけども、そこはすっ飛ばして新海さんのインタビュー記事だけを読んでみた。「雲の向こう、約束の場所」の制作意図などがまとまっていてなかなかに興味深かったのだけど、タイトルに付けられた「強度ある物語」というキーワードでインタビュアーが内容をまとめたかったのかどうなのか、ちょっと的外れではないかという部分も散見された。
特にインタビュアーの「振り返ってみると、今年公開の大作長篇アニメーション-『イノセンス』『スチームボーイ』『ハウルの動く城』-は三作とも共通して、ヴィジュアルの方が優勢で、物語の力で観客を巻きこもうという意思が薄かったと思うんです云々」というくだりは、正直目が点に...。『スチームボーイ』は観てないのでなんとも言えないけど、『イノセンス』にしても『ハウル』にしてもストレートな物語に丁寧に沿うように、ビジュアル面ではかなり抑えた表現になっていたと思うのだけど。特に『ハウル』のキーポイントは、後半になってソフィーが老婆になったり若い姿になったり目まぐるしく描写が変わるところで、あれこそヴィジュアルが物語をつむぐアニメーションの醍醐味であるところなのに。動く城の描写なんてオマケ。えらいひとにはそれがわからんのです。ってことはないと思いたい。
新海さんの「雲の~」だってヴィジュアル面では全然負けてないと思うのだけど、残念ながら圧倒的に物語の部分が弱いです。新海さん自身のコメントにあった「モノローグをダイアローグにしようとした」という挑戦はあくまで挑戦であって、なんというかまだまだ足りてない部分があるんじゃないかと思えたり。「彼女と彼女の猫」にしても「ほしのこえ」にしてもアニメーションにモノローグ、つまり一人称視点を取り入れたところがとても斬新でいわゆる新海テイストを形作っていたのだけど、その部分を薄めた結果、ヴィジュアル部分だけが新海テイストを残すものになってしまって、ちょっとバランスが悪かったんじゃないのかなと思います。でもその辺もひっくるめて新海さん自身が「それでもやっておきたかった」とコメントしているので、まだまだこれから楽しませてくれるのではないかと。いや、ぜひ次も恥ずかしいの作ってください(笑。期待。
どっちも観てわかったこと。サユリもソフィー(若い頃)もぺたん座りするのですよ... ちょっと萌えたかな(笑。
とりあえず「ハウルの動く城」も観てきました。
「雲の向こう~」とちがって本当に全く期待していなかったので、逆に素直に楽しめたような気がしました。ソフィーの若い頃の姿が往年の正統派宮崎ヒロインそのものだったので、なんかわからないけど満足度は高かったです(笑)。
ストーリーも公開日が延びた時点で「かなり破綻しているのでは...」と危惧していましたが、全くそんなところもなかったですね。「千尋」でかいま見えたみょーに説教くさい部分もなかったのもよかった。ただ最後のカブが王子に戻るところはとってつけたようで要らんのではと思いましたけど。
また劇場に見に行くことはないけど、DVDが出たら繰り返しみてしまいそう。
新海誠さんの最新作「雲の向こう、約束の場所」を見てきました。
個人的に今年最大の期待作品で、Web上に公開された予告編を見ながら妄想を膨らませていただけあって、やや肩透かしをくらった感じがしなくもない、というのが偽らざる感想です。90分という尺と実在の舞台を用いたアナザーワールドな設定から、もう少し複雑なストーリー展開や心の葛藤が紡ぎ出されるのではないかと期待していたのですが... いい意味でも悪い意味でも「ほしのこえ」から何も変わっていなかった、ということになるんでしょうね。さらには「彼女と彼女の猫」とも同じで、どの作品も結局最後の一言を言わせるためにすべてが存在すると言っても言い過ぎではない気がします。
ただだからといって観ていて何か不満を感じたかというとそうではなく、むしろ気持ちのいい、心地よい90分でした。確かにある意味「きみとぼく」のセカイ系で、実にこっ恥ずかしい話なんですが、そんなものにここまで手間暇かけてしまうところがよいのでわないかと思ったりします。やっぱり映像の持つ力ですよね。映画に登場するさまざまな風景やモチーフは、単なるイメージではなく、新海さん自身がその風景やモチーフに対してどういう感情をいだいていたか、ということをベースに作られているので、その分心の琴線を弾く力を持っているんだなぁと思います。この辺が共感できるかどうかというところで、たぶん作品の評価が大きく分かれるところでしょうね(←素直に恥ずかしいのが好きと言いなさい)。
タイトルにした「きみのこえ」というのは、映画の最後の流れる歌の題名なのですが、これがまたなんというか暗くて(笑)いいです。歌ってるのは♥になっていたけど、ミカコたんなのかしら?早くサントラ欲しいなー。
春に引き続き。
うぃさんも書いてるけど、あの絵を見てるだけでもーあとはどーでもよくなってしまう。描き込みがすごいとかじゃなくて、あの夕焼けのシーンを見ただけで、自分がいつかどこかで体験した思い出の風景みたいなものが甦る気がして、そのときの気持ちとか風とか匂いみたいなものまで感じられてしまうところで、もうダメなんです。あとどうしてだかわからないけど、サユリ役の南里侑香も妙にはまるし、おまけに吉岡秀隆の声でボソボソしゃべられたらたまらない。設定的にもたぶんシナリオ的にも話題になるほど一般ウケしないだろうことはわかってるけど、そういうものがちゃんと世の中に出てくるのはとてもありがたいことです。
というわけで。公開終了の5/28に会社を抜け出して、新宿文化シネマの最終回を観てきました。10分前ぐらいに着くと既に立ち見状態。「お立ち見になりますが構いませんか?」という窓口のお姉さんの問いかけに「っていうか明日からやってないんでしょ?」と突っ込みのひとつも入れたくなったが、さりとて状況が変わるわけではないので、そのまま場内最後方の壁際に陣取る。金曜日の晩で最終回でしかも座席数が60足らずのスクリーンじゃ致し方ないところかも。映画を立ち見なんてするの何年ぶりだろう。
率直に言うとマニアックな映画だった。ひいきめにみても一般ウケするとは思えない。でもそういう前提の上では堪能できましたです。
とにかくアリス役の蒼井優がキレまくってた。ハナ役の鈴木杏を目当てに行ったんだけど、ちょっと損な役回りだったかなー。ラストにアリスが制服のままバレエを躍るシーンがあるのだけど、これはすごかったー。いやいや岩井映画はこうでなくっちゃという... 垂涎モノですよ(ぉ。これでハナの落語が聴けてたら言うことなかったんだけど、そこはちょっとおしかったなって思いました。前半での同級生が作品にするためのバレエ教室で写真を撮るシーンもなかなか。青春の1ページって感じで百合方面なひとにもサービスと(ちがいます)。
個人的にはあと10年ぐらいしてから見るとなかなかに思うところありなんだろうなぁ。おうちでまったり観るような映画ではなかったので、なんとか観られてよかったです。
約1年ぶりのお芝居観劇。夢の遊民社時代の作品(1991年)の再演ということで、前回公演「オイル」ほど「今」の時代に踏み込んだ表現はなかったものの、話の内容には微妙なリンクが感じられた。物語の舞台が同じ(鳥取砂丘)ということもあるけど、僕らの置かれている状況とか僕らの意識が10年以上前から変わってないとも言える。ラストも近作にしてはめずらしくあっさりしていたように思う。概してわかりやすかった。
新国立劇場・中劇場で芝居を見るのは前々回公演の「贋作・桜の森の満開の下」と今回で2度目だけど、すり鉢上の客席と奥行きのある舞台の組み合わせがとてもいい感じ。舞台の前後方向を使って芝居をやるというのはまた違った面白さがありますね。
観ました。よかったです。ない時間をかいくぐって観にいった価値はありました。
「攻殻機動隊」の続編とされていますが、僕はどちらかというと「Avalon」や「パトレイバー劇場版(1作目)」のと近いんじゃないかという印象を受けました。確かに登場する人物や組織の関係や背景がほとんど語られないので、「攻殻機動隊」を見てないとさっぱりというような気もしますが、パンフでちょっとばかり予習して観るぐらいでも全然平気と思います。ただし昨今のアニメーション映画のノリを想像して行くと即死します(笑)。
そういえば「ハウルの動く城」の予告編もありましたが... あれはいったいなんなんでしょう?(^^;モスラかコジラと思いました(というのは言いすぎだが、正直ちょっとって感じ)。
映画を観る、という行為から遠ざかって久しいですが、とりあえず個人的希望として観たい映画をメモ。