2007年3月15日(木)

秒速5センチメートル

というわけで、ういさんとあわたけ師匠とともに観に行ってきました。
感想は以下へ。

第一話は、中学一年生という年齢のわりには、ふたりのモノローグのおとなっぽさにギャップを覚えまくりで、正直この先どうなることかと思いましたが、第二話、第三話とよくなっていったように感じました。個人的には第二話が一番のお気に入りです。女の子を主人公にしていた分、感情の機微が物語に奥行きを与えていたように思いました。

僕個人としては作品を評価しつつも、新海さんが表現しようとしている世界の美しさの切り取り方については賛同しかねるところがあります。あるいは僕が結婚してなくて、子どももいなくて、一人暮らしをしていたら、もう少し素直に感情をシンクロさせることができたと思うこともあるのですが、もはやそれは想像でしかないのでホントのところはよくわかりません。

僕は世界の美しさはそこに生きているひとにこそあるのだと思っています。普通に生きていて人と交わらない毎日はなく、自分が望むと望まざるとに関わらずいろんなひとと関わりを持って生きていくしかないのが現実です。そしてそれは往々にして様々な摩擦やすれ違いやストレスを生む原因となるのですが、またそこに楽しさや喜びや意外性があるのも事実です。そういうちょっとしたことが、生きていく上での大切な糧となることも現実にはたくさんにあると思うのです。でも新海さんの作品には、そういうものはあんまり出てこないような気がするんですよね。ある意味、閉じた世界しかないというか。

映画パンフレットに種子島の高校へ取材に行った話が載っていて、現地のひととの様々な出会いが作品に大きな影響を与えた話が書いてありました。ホントはここに書いてあるようなことがとっても大事なことなように思うのです。新海さん自身はそれをちゃんとわかっているからこそ、第二話の奥行き(姉のような近親者を登場させたのも初めてなんじゃないのかな)につながっているような気がするのですが、、、ちょっともったいないなと思いました。エラソーなこと言ってごめんなさいです。