2005年1月30日(日)

「九年目の魔法」(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ・東京創元社)

九年目の魔法

ハウルの原作「魔法使いハウルと火の悪魔」は正直面白くなかったのだけど、ダイアナ・ウィン・ジョーンズだったらこっちの方が面白いという奥さんの薦めで読んでみた。

全篇がカットバックで、物語の本筋が語られ始めるのは半分を過ぎてからという構成はちょっと我慢がいるところだけど、主人公の女の子ポーリィは魅力的に描かれていて、楽しめました。ファンタジーというよりは少女小説+ミステリといった方が正しいのかな。解説を読むとダイアナ・ウィン・ジョーンズが描きたい女の子像というのがわかって興味深い。頑固で直情的だけど自分を客観的に見る目ももっていてサバサバしたところもある、そんなような。

ハウルのソフィーが原作でどう描かれていたかはよく思い出せないのだけど、そこから想像するに映画のソフィーは健気すぎる。あれは完全に宮崎さんの味付けなんだろうな。もっとハウルを突き放すぐらいの描かれ方をしていたら、映画も全然違った魅力を持っていたかもしれないと思うと惜しい。まぁいいけど。