ひさしぶりの北村薫。昭和初期の東京、女子学習院に通う社長令嬢である主人公とその運転手ベッキーさんを軸にしたいわゆる北村ミステリ。「銀座八丁」が特に小気味よい。桐原勝久と主人公のやりとりなんかは、昔の位をもったひとはほんとにこんな芝居みたいな会話を交わしていたのだろうかと思うぐらい品がある上に隙がない。どうやらシリーズものになりそうなので、この先も楽しみにしたい。
しっかし。北村薫は令嬢好きなのかしら?覆面作家シリーズしかり、「リセット」しかり。いや好きだからいいんだけど。