「風使い通信vol.8++」の動機。


以下、コミケ直後のメイルから抜粋しました。でもこれが原点なのよ。

 今回はやはり映画公開1カ月後がコミケということで、ちょうどタイミングが 良かったというのもあり、なんだかんだでかなりの原稿が集まりました。これに 関しては、いつもはなんとかあちこちから原稿を集める(^^;というのとは違って、 本当に嬉しい誤算でした。
 というのも、そもそも「On Your Mark」そして「耳をすませば」どちらの作品も 我々ファンにいろいろな妄想(^_^;)及び創作意欲をかきたてられるに十分パワーの ある作品だと言えると思います。
 実は今日も晴海帰りに日比谷映画に行って観てきたのですが、、、ううむ、 やはり本を作ったあとでもまだまだいろいろ言いたいことが涌いてくるなぁ、と 思いを新たに致しました。

 今回は「風使い通信」の最大の特徴である話題の即時性を活かしまして、 「On Your Mark」「耳をすませば」をメインに持ってきたのですが、やはり これは目論見通りでして(^_^) 、「耳をすませば」本に関しては他に1、2冊 ある程度で「On Your Mark」に関して取り上げた本はこの「風使い通信vol.8」が ほぼ唯一の本であったと思います。
 また、どうせうちの本は中身を読んでもらってなんぼの勝負なのだから、 表紙はとりあえずたでさんにお願いした例の天使のイラストをばばーんと 持ってきて(このあたりはハミさんには本当にお世話になりました・・)、 中身はみんなの書いてきてもらった文章を如何に効果的にまとめあげて配置するか、 という点に気をつけて編集しました。
(で、結局よっちゃんの舞台挨拶テープ起こし原稿は別冊とすることにしました。  単純に通信本体のなかでどういう位置づけをしていいかということが難しかった  というのもありますが、実はこれを売りにしたかったというマーケティング上の  戦略もありました(^_^) 。いや、ほんとそれに足る価値のある原稿だと思った  ので、、、本当に御苦労さまでした。>よっちゃん(^_^) )

 で、当日。今回は暑い中を店番するのだから(^^;、買って行く人の様子を ずっと観察してやろうと思いいろいろと見てました。やっぱたでさんの表紙 の効果は絶大でした(^_^;)。あと、その舞台挨拶の別冊もやはり予想通りの 効果を発揮してくれました(^^;。

 そしてだいたい手に取ってみる人の反応は3通りぐらいでした。
 1つめは、漫画(イラスト)が載ってないのを見てそのまま立ち去る人。 ま、こればかりはうちの守備範囲じゃないのでしょうがないですね(^_^;)。
 2つめは、全部内容をじっくり見て(読んで)立ち去ってしまう人(^_^;)。  (この人たちはどういうのかよーわからん・・内容がやはりへぼいから   だろうか・・うーむ)
 3つめは、お買い上げくださる人。  この中には、固定客の方(実はいたりするからすごいっ)は、問答無用。 あと若干表紙に惹かれたかな系の人。また別冊の舞台挨拶に惹かれた人も いました。また内容を見て買っていってくれる人もいました。

 まぁそこまでならいつものことですからどうということはないのですが、 最後の方になって買いにきてくれたお客さんが、「やっぱりこれを(「On Your Mark」)観て一言いいたくなることは多いんでしょうね」と言って くださったのが非常に印象的でした。
 まさに、今回の本はその「一言いいたい」をぶつけた本だったからなのです。 これはもっともっと潜在的に居るに違いない。特に「ナウシカ」を観ている 人であれば、なおさらのこと。この時点でほぼ確信に近い手ごたえを感じました。

 あとちょっと話が逸れるのですが、歴代の「風使い通信」において、やはり 売れ行きがいいのが「ナウシカ」を特集したものなのです。これは随分前なのですが、 突如として「カリ城」特集を企画して売りだしたvol.5ってのがあるのですが、 これが売れ行きの悪いこと(^_^;)。いや、今回まで在庫がありまして、ようやく はけたのですが、、、これはなにも「カリ城」がつまらないというわけではなく、 それだけ皆「ナウシカ」に飢えている!と思うのです。なんか欲しい。もっと なんか言いたい。それを共有したい。そんなものを求めてコミケの宮崎系ブース に立ち寄るのだと思うのです。

 さらに。「On Your Mark」も良かった。しかし「耳をすませば」もオータムさんの 言うように挑発映画(^^;であったことは間違いない。あれは確かに宮崎作品ではない。 しかし宮崎駿が描こうと考えながらも描けなかった等身大の女の子というものを、 近藤さんはやっちゃったのだから、あれはすごいぞと思うのです。あと東京の今 というのを舞台にしたっちゅーのも特筆すべきでしょう(今日「耳をすませば」を 観てたら妙に飛行船が出てくるのが気になった・・確かに原作にも出てくるが、 押井守へのあてつけか?というのは勘ぐり過ぎ?(^^;)。その他ボードの方でも いろいろ話が出ている。

 さてそこで。
 以上を踏まえ、さらに「風使い通信vol.8」が完売したのをいいことに、 「風使い通信」の再録を含めた「ナウシカ」「On Your Mark」「耳をすませば」の この3本を柱とした本を作ろうと考え始めました。全く違う(こともないけど) 3作品も究極的には目指すところは同じだろうと思うのです。

 「たとえ次の瞬間に肺から血を噴きだしたとしても
   鳥達が渡っていくように 私たちはくり返し生きるのだと」
 「風使い通信vol.8」の裏表紙に思わずデカデカと入れてしまった(^_^;) この言葉。これしかないです。宮崎駿が「On Your Mark」でナウシカを語って しまったのだから、うちらにも語らせろ!僕が考えているのはこれを実現する 本なのです。

 で、、、これぐらい言っておくと大丈夫、、、かな(^_^;)。
 なんかとりとめもなくだらだらと書いてしまいましたが、とにかくもっともっと 書きたいことはたくさんある。終わってしまったナウシカのことも。その気持ちを お伝えするためなのでした。

 というわけで、どんどん書いてみてください。どういう形になるかわかりませんが、 何か形あるものにしてみせますので。

95年8月20日 じょばんに/編集長


「風使い通信vol.8++」の全貌にもどる