読書日記(神秘の短剣)
by 鈴木 宏枝
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神秘の短剣(しんぴのたんけん)
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原題 | The Subtle Knife | 読んだ日 | 2001.8.16 | ||
著者 | Philip Pullman(フィリップ・プルマン) | 訳者 | 大久保寛 | 画家 | (N/A) |
出版社 | 新潮社 | 出版年月日 | 2000.4.20 | 原作出版年 | 1997 |
感想 | わー、ここで終わるのかい、とまず思った。魔女とシロクマどころか、今度は天使まで出てきて、オーソリティといい、ダストといい、キーワードてんこ盛りなのだけど、不思議とうんざりせずに読み進められる。それは、「天使」「魔女」という、イメージをかきたてる言葉を用いながら、それら彼らはどういうものなのかを、プルマンが丁寧に自分の言葉で語っているからだろう。「歴史的建造物のような」という天使の説明には、自分の想像力と作品世界が呼び合うような感覚を覚えた。
ウィルの造形は、ライラと同様にいいと思う。子どもという人間の鼓動が伝わってくるように感じる。止まらない血に、何が象徴されているのだろう。 「神秘の短剣」原題ではsubtleなのだね。いわく言い難い、人の手を超えたパワーという意味も込めているのだろうか。ウィルとグラマンの出会い、そりゃないぜのユタ・カマイネンの行為、スコールビーの死(ヘスターは美しい)、もろもろあわせて、戦争に突き進む物語はどうなっていくのだろう。 |