読書日記(ゼブラ)
by 鈴木 宏枝
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ゼブラ(ぜぶら)
原題Zebra and other stories読んだ日2001.7.29
著者Chaim Potok(ハイム・ポトク)訳者金原瑞人画家(N/A)
出版社青山出版社出版年月日2001.5.25原作出版年1998
感想 短編6本。どれもしみじみおもしろかった。重たいところもあり、YAよりもさらに小説に近いものを読んだ気がする。
 交通事故で手足を痛めてリハビリ中のゼブラと、ベトナムから帰還した芸術家ウィルスンとのやりとりに、だんだん光が差していくような気持ちになった「ゼブラ」。息子を亡くして、子どもを持つことが怖くなり、出て行ってしまったパパの気持ちを知ってしまう…そしてそれを秘めたままの「BB」が良かった。「ムーン」や「ナヴァ」の異文化との出会いとそこにきらめくものも、丁寧。「マックス」は、銃をとったエミーのその先と、マキシの運命が重なって、不吉に思えた。「イザベル」は古典的なテーマ。でも、イザベルとベッツィのおずおずとしたやりとりと、その中で繰り返される死者を思うプロセスに、リアリティを感じた。
 金原先生も書いているけど、本当に丁寧である。ユダヤ系アメリカ人ということは、彼が書こうとする子ども達--どんな子どもを書こうかという構築--に、どう影響しているのだろう。


鈴木 宏枝
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