読書日記(ちいさいモモちゃん)
by 鈴木 宏枝
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ちいさいモモちゃん(ちいさいももちゃん)
原題(N/A)読んだ日2001.6.29
著者松谷みよ子(まつたにみよこ)訳者(N/A)画家(N/A)
出版社講談社出版年月日1974.6.28原作出版年(N/A)
感想 なんともいえない不安感、という幼時記憶を持つシリーズ。これは、モモちゃん誕生とプーが家に来ることから始まる第1作。すいすい読み進めながら、昔の私はプーに肩入れして読んでいたのかも、ということに気付いた。黒猫のプーは、「やなプーねえ」と言われたり、「プーはいばって(でも、ドジをふむ)」と表現されたり、濡れ衣を着せられたこともあって、損な役回りである。もちろん、モモちゃんにもお母さんにも頼りにされているし、お父さんとも仲がいいプーなのだけど、どこか、長子の悲哀に似たものを感じる。一応のんびりしながら、どこかきりきりしているように見えるお母さんが感じる不安感、けなげという意識もなく(一番最後の北風のシーンは衝撃的でさえある)成長しながら、どこかでモモちゃんが感じている不安感(それは預けられていることには何の関係もない)とを、プーが大人と子どものバランスを上手に行き来しながら吸収していて、そのプーという存在が、どうにも作者の手の中では、軽んじられている気がして、好きではなかったのかもしれない。今読むと、そのプーへの愛情が感じられるのだけど、子どもの頃読んでいたときには、「いばって」も「いやな」もストレートに入ってきてしまったのだ。


鈴木 宏枝
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