読書日記(スター★ガール)
by 鈴木 宏枝
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スター★ガール(すたーがーる)
原題Stat Girl読んだ日2001.6.18
著者Jerry Spinelli(ジェリー・スピネッリ)訳者千葉茂樹画家(N/A)
出版社理論社出版年月日2001.4原作出版年2000
感想 電車の中で読んでいて、最後に(それから途中も一部)涙が出そうになってしまった。スターガールのスターガール性。シャニングの辛さと、スターガールとの時間の大切さのはざまでセイシュンな悩みを抱え、そしてスターガールを送ることができなかったレオの、それでもそこにある希望と、ヤマアラシ柄のネクタイ、ハイスクールに起こった変化。賢者?のアーチー。スピネッリはどの作品にもたまげてしまうのだけど、この作品では、特に、人物が純化されているように感じる。印象的。ドリのことが気になった。迎合せずに、二人だけのウクレレ隊、たった一人でのプラカードの出迎えをしたドリのことを、もっと知りたくなった。
 あらためて表紙がいいなあ。三角スカートの稚拙なカードの女の子の上に、凡百の星と、キラキラのスターがいる。あらゆるものを愛するスターガールの光の記憶は、レオに、スターガールのまわりにいた人に−−時間の経過という贈り物と共に−−様々な感情をかきたてる。ハイスクールの変化も、秘密の場所が失われていく変化も(でも、建ったのがマンションではなく学校で、なんとなくよかった)、大きな輪の一部という気になってくる。硬直するのではなく、ありのままに、眺めて愛し て受容する。
 クレージー・マギーとスターガールは、どう出会うだろう?

p.055「彼女は、わたしたちの本来あるべき姿なのではないかと思うほどだよ。もしくは、わたしたちの過去の姿か」
p.181「彼女は見ることにかけても達人だった」

 砂漠にサボテンというと、スヌーピーのお兄さんを思い出す。思索にはいい土地かもしれない。そして、田舎のいかにもなハイスクール生活も。


鈴木 宏枝
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