読書日記(透きとおった糸をのばして)
by 鈴木 宏枝
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透きとおった糸をのばして(すきとおったいとをのばして)
原題(N/A)読んだ日2001.1.29
著者草野たき(くさのたき)訳者(N/A)画家(N/A)
出版社講談社出版年月日2000.7.20原作出版年(N/A)
感想 講談社児童文学新人賞は、中学生主人公が流行?「関係性」としての透きとおった糸、ある時点でのつながりと別離、そして新たなるつながりについて書きたい作者(大人の女性)の気分がよく伝わってきた。
 私はわりとるう子的に、「やらないで後悔するよりやって後悔」タイプだったので(今はもう少し賢いと思う)、どことなく身につまされる部分があった。知的な知里の影があっさり「説明」されてしまっているのと、ちなみの感じていた苛立ちをもっと掘り下げてほしかったこと、香緒がじたばたしないであまりにもよく「分かって」いることなど(ちなみの思いの真実を知ったときの衝撃などはあるけど)、「もう少し」と思う部分もあった。だけど、恋人関係と親友関係の重なり、梨本くんの男っぽさ、かっこいい佐々木さんの造形やバンドの明るい魅力、いやみではない一人称など、素直に楽しめた。読後感はさわやか。充電してひとつの見方を知り、一歩進んだ香緒に、ちなみも何かを感じ取ったのだろう。ちなみの側から一連の顛末を語る声があると、またおもしろいかも。…この話を楽しめたのは、多分私が女性だからだろうなぁ。


鈴木 宏枝
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