読書日記(ショート・トリップ)
by 鈴木 宏枝
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ショート・トリップ(しょーと・とりっぷ)
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原題 | (N/A) | 読んだ日 | 2000.11.22 | ||
著者 | 森絵都(もりえと) | 訳者 | (N/A) | 画家 | (N/A) |
出版社 | 理論社 | 出版年月日 | 2000.6 | 原作出版年 | (N/A) |
感想 | 梨木香歩も荻原規子も森絵都も好きなのだけど、梨木香歩には圧倒されるような迫力があり、荻原規子には手のひらの上で遊ばせてもらうような世界観の立体感があり、森絵都には手をつないで歩きたくなるような等身大の魅力がある。リアリスティックな作品でなくても、このように短い紙面でトリップしちゃう話にも、その心安さは同じように感じられた。寓話性のあるものもあるけれど、あまりうがたずに読んで楽しむのが吉だろうなぁ。「ならず者18号」に吹きだし、「厳然たる三色の法則」に、上橋さんの講演にあったアボリジニーの話を思い出し、「バン爺の旅行鞄」にファンタジーを感じる。「注文のいらないレストラン」はしみじみ好きで、「運命」はとってもおもしろかった。ちょっと空想に富んだ短編というと、すぐ星新一が浮かんじゃうけれど、『ショート・トリップ』には素直に森絵都らしさが出ていると思う。やっぱり 好きな作家だな、と深くうなずいたりして。 |