読書日記(心の国境をこえて)
by 鈴木 宏枝
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心の国境をこえて(こころのこっきょうをこえて)
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原題 | NADIA | 読んだ日 | 2000.10.4 | ||
著者 | Galila Ronfeder Amit(ガリラ・ロンフェルデル・アミット) | 訳者 | 母袋夏生 | 画家 | (N/A) |
出版社 | さ・え・ら書房 | 出版年月日 | 1999.4 | 原作出版年 | 1985 |
感想 | 胸のうちを言語化してまわりの人に伝えることのできない苦しみと、それゆえの心の内面での葛藤の言葉の嵐に、びりびりとひきつけられた。差別されてきた側としてのユダヤの話はたくさん見聞きしているけれど、イスラエルという土地でマジョリティとしてのユダヤ民族が出てくる話を読んだのは初めて。民族と個人の分かちがたさの様々(アジラームの生徒たち・アジーザ)と、何倍もの痛みを感じながら道を進もうとするナディアのそれぞれが印象的。それにしても、私も、なんとマジョリティの側かと思った。自分も、「悪気のない」暴力をふるい、固定観念の塊になっているのではなかろうか…。 かなりメッセージ性の強い作品だったが、迫力勝ち。 |