読書日記(ヤンネ、ぼくの友だち)
by 鈴木 宏枝
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ヤンネ、ぼくの友だち(やんね、ぼくのともだち)
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原題 | Janne, min van | 読んだ日 | 2000.8.18 | ||
著者 | Peter Pohl(ペーテル・ポール) | 訳者 | ただのただお | 画家 | (N/A) |
出版社 | 徳間書店 | 出版年月日 | 1997.12.31 | 原作出版年 | 1997 |
感想 | やっと再読。よく分からなかった前回よりも、ヤンネが曲芸の少女であることも、殺されることも分かっていたのに
それでも、身体がクエスチョンマークになってしまいそうなのは、クリッケと同じ。数字の世界と身体だけの世界、遊び仲間との距離、
一目で見抜いた母さんと、よく分かっていなかった父子、二つの世界と境界線、が意識された。 以前は、ヤンネに会えなくて病気だった夏がすごく印象的だったけれど今回読むと、物語の一部のようで、 初めて読んだときの本の印象「こんな本だった」という漠然とした感じは二度目三度目にはあっさり覆されるものなのだというのも、再発見。 ヤンネの鮮やかな髪の色と、写真の黒髪の痛々しさ。 本当の年齢は?もっと上?ヤンネの受けていた虐待。怪物男やミスターGGは何者なのか?とか、何回読んでも、謎は尽きなくて。また読み返せば、伏線がいっぱいあるのかな〜。想像と現実、過去と今、二度と取り戻せないものと、諦観していたその身。 フランス語を勉強してたお姉さんとか、閻魔帳の不正を突き上げるエピソードとか 直接関係なくても印象的なところも、けっこうあった。 (更新)ピッピはともかく、『はるかな国の兄弟』を下敷きにというところが興味深い。ただの引用だけではなく、死にまつわるもろもろや、愛慕に近い念など、モチーフが重なっている。 |