読書日記(キツネ)
by 鈴木 宏枝
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キツネ(きつね)
原題Fox読んだ日2002.2.6
著者Margaret Wild(マーガレット・ワイルド)訳者寺岡襄画家ロン・ブルックス
出版社BL出版出版年月日2001.10.10原作出版年2000
感想 私は絵本に関しては、よい目を持っている人が良いと言ったものを「読んでみたいな」と思って手にとるので、ほとんどハズレなものに会ったことがなく、そしてそれがきっとすごくラッキーなことに違いない。当たり前に読む絵本が、ほとんど「すごい」と思えるのはうれしい。
 題名がキツネ、なんだなあ。イヌとカササギの幸せ話に終わるのではなく。カササギを変えたキツネ、自らはいまだ孤独に冷たい目をしているキツネがなんだか自分と重なってしまうようにも思えるし、ぴょんぴょんとはねていくカササギが自分だとも思える。絵本は最後に「落ち着く」ものと「広がる」ものとはっきりしていて、どちらも味があるけれど、これははっきりと後者だった。
 絵もすごい。油彩に何度も見入ってしまったし、動物たちの目に凄味を感じる。別掲示板でも話題になっていたが、ひっかいたような字体そのままなことも良かった(これは大人の楽しみか)。さすが川端誠。


鈴木 宏枝
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